4.物件調査・内覧時のポイント
1日の約3分の1を過ごすオフィスが快適でないと、仕事にも身が入りません。
物件の調査や内覧の際、確認しておくと良い点をまとめましたのでご活用ください。
4-1. 管理の状態
ビルの管理状態は同じ築年数でも手の入れ方によって大きく変わります。
実際に現地を見て清掃が行き届いているか、リフォームやリノベーションはされているか等を確認しましょう。
4-2. 外観・共用部
■ 外観のイメージ・グレード
■ 1フロアの面積に対してのトイレの数
■ 給湯室の広さ・使いやすさ
■ エントランス、廊下の広さ・明るさ
■ エレベーターの数
■ ゴミ置き場の有無、出せる日時の制限の有無
■ 喫煙所の有無
■ 貸会議室の有無
■ 駐車場の有無(平面or機械式、サイズ)
4-3. 専有部(貸室内)
■ 天井の高さ
天井が低いと圧迫感を感じる可能性があります。
■ 空調の位置
間仕切り壁・パーテーションを設置するにあたり、空調の吹き出しが無い部屋ができないか確認しましょう。
移設することができる場合もありますが、費用は借主負担となります。
■ 空調設備のタイプ
個別空調orセントラル空調、冷暖房の切り替え、運転時間を確認しましょう。
空調設備のタイプについて |
【個別空調】
【フロア空調】 ① ビル側で冷暖房の切替えを行っているもの ② 親機のある部屋でのみ冷暖房の切替えができるもの ③ 最初に稼働させた部屋でのみ冷暖房設定できるもの
【セントラル空調】 |
■ 柱の有無
部屋の中に柱が多いと効率のよいレイアウトができない場合があります。
■ OAフロアの有無
OA機器等の配線を床下にすっきり収納させることができるよう、床が上がっているものをOAフロアといいます。
■ 採光
平面図で窓の有無は確認できても、窓の高さ・隣接ビルとの関係までは分からないため、必ず現地で確認しましょう。
■ 騒音の有無
ビルの外からの騒音はもちろん、隣の貸室からの音漏れ等にも注意しましょう。
壁厚が薄い場合や、材質によっては遮音性が低い場合があります。
隣にテナントがいる場合には、声が漏れていないか等確認しましょう。
■ 電気容量
既設の電気容量が十分かどうか確認しましょう。
また不足している場合、容量が増やせるかどうか確認しましょう。
ビル全体で容量が決まっている場合でも、余裕があれば容量を増やすことが可能です。
必要な電気容量は、OA機器の台数などを元に算出することができます。
4-4. セキュリティー
■ エントランスの開錠時間
オフィスのエントランスの開錠の運用方法はビルごとに異なります。
例えば土日に来客の多い業種ですと、土日にエントランスが閉まっていると不都合です。
また、24時間開放されていると、関係者以外の人も自由に出入りできてしまうため不用心となります。
そのため業態や運用方法、セキュリティー面から希望に合っているかを確認しましょう。
■ エレベーターの不停止設定の有無
エレベーターが特定の階に昇降できないようにする設定があると、防犯対策として安心です。
オフィスのある階が無人になる時間帯や休日に合わせて設定すれば、万が一不審者がビルに入ってもフロアへの侵入を防ぐことができます。
■ 有人警備の有無
有人警備には常駐型と巡回型がありますが、小中規模のオフィスビルで警備員が常駐していることは少ないです。
緊急時の対応や警備範囲について事前に確認しておくと良いです。
ほとんどのオフィスビルに採用されている機械警備についても、警備の方法や入退室の警備システムを確認しておきましょう。
■ 防犯カメラの有無
オフィスビルに防犯カメラが設置されていることで、犯罪や不正の抑止や防止につながります。
エントランスホールはビルに出入りする人が必ず通る場所ですので、防犯カメラが設置されていると安心です。
オフィス内に独自に防犯カメラを取り付けたい場合、まずはビルの管理会社にご相談ください。
4-5. 他の入居テナントの確認
貸主・管理会社がしっかりしているビルであれば、入居審査もしっかりされているため、質の良いテナントしか入居できないようになっています。
そうでない物件では、企業イメージを悪化させる恐れのあるテナントが入居していないか、確認をしましょう。
4-6. 周辺環境
■ コンビニ、飲食店、銀行、郵便局、クリニック等の有無
コンビニや飲食店のあるエリアにオフィスがあると、社員のランチやちょっとした買い物に便利です。
内勤の社員にはちょっとした気分転換にもなりますので大切なポイントです。
銀行や郵便局が近くにあると事務作業の効率化につながります。
クリニックが近くにあると、帰り道やいざという時すぐに受診でき便利です。
■ 風俗店等の施設の有無
社員や人材の採用活動にとって、オフィスの周辺環境は重要です。
近辺に歓楽街があるのは便利ですが、通勤経路に風俗店などの施設があるエリアは避けた方が賢明です。
■ 帰り道の夜間の街灯
最寄り駅までの通勤経路に街灯が少ないと、残業などで遅くなった際に防犯上の心配が出てきます。
日中は明るく人通りの多いエリアでも、夜間の街灯や人通りを確認しておきましょう。
4-7. 交通
■ 最寄り駅からのアクセス
信号の数等によって物件案内書に記載の所要時間と、実際に歩いた所要時間とで乖離がでることがあります。
必ず確認しておきましょう。
■ 取引先・多拠点へのアクセス
会社に来られる顧客や取引先の利便性を考慮することも必要です。
複数の支店を持つ会社は、多拠点のアクセスのしやすさも重要です。
車の移動をメインに考える場合は、幹線道路や高速のインターからアクセスのしやすい郊外にオフィスを構えるのも有効です。
■ 通勤利便性
最寄り駅からの会社までの距離が短いほど、通勤する社員の利便性は高くなります。
最寄り駅がターミナル駅であれば、一層アクセスが便利です。
名古屋市内であれば、地下鉄やJR、名鉄などの公共交通機関が複数乗り入れる名古屋駅、金山駅は大変人気があります。
ターミナル駅に隣接するオフィス街として伏見、丸の内、栄も利便性が高くおすすめのエリアです。
所要時間の徒歩1分は何m? |
不動産の広告で徒歩所要時間を表示する場合には、徒歩1分が80mとして計算されています。 ① 直線距離ではなく、道路距離をもとにします。 ② 80m未満の端数が出たときは、切り上げて1分とします。例えば、道路距離が100mですと徒歩所要時間は「2分」となります。また、駅すぐの物件でも「駅から徒歩0分」ではなく「駅から徒歩1分」と表示します。 ③ 横断歩道・歩道橋・踏切を経由しなければならないときは、それを経由するために余分に歩く距離を含めます。 ④ 信号待ちの時間は考慮しません。 |
物件調査・内覧時のポイント |
・ビル管理は行き届いているか? ・外観のイメージは良いか? 共用部は使いやすそうか? ・貸室内の空調設備は3タイプのどれか? ・採光や騒音は必ず現地で確認する ・エントランスの開錠時間は希望に合っているか? ・テナントの質、周辺環境、交通を確認する ・最寄り駅からの所要時間を実際に確認する |