7.移転に必要な手続き
7-1. 引っ越し
ビルによっては、引越し作業を行ってよい時間や曜日が定められている場合があります。
荷物の搬入口やエレベーターを専有することになるため、ビルの所有者から土日を指定されることも多いです。
7-2. 内装工事
ビルによっては、工事業者の指定がある場合があります。
B工事・C工事の区分を理解しておくことが必要です。
間仕切りの仕様によっては、非常灯や火災報知器の設置が必要になり、内装工事費用増となりますのでよく検討しましょう。
7-3. 什器備品・OA機器の購入
デスクやイス、応接用家具、資料や備品を収納する戸棚や書庫・金庫などのほか、社員のロッカーや冷蔵庫、ウォーターサーバーなど、オフィスに必要な什器備品は多岐にわたります。
現オフィスで使用中の複合機やビジネスフォンをリースもしくはレンタルで契約している場合、移転の予定を契約先の会社に連絡する必要があります。
7-4. 電話、インターネットの引込
NTTでは通常、依頼してから開通まで電話回線で2週間、ネット回線では3~4週間の時間を要します。
特に移転シーズンは込み合いますので早めの申込が必要です。
7-5. 関係省庁のへの届出
法務局 | 本店移転登記申請書、支店移転登記申請書 |
税務署 | 事業年度、納税地、その他の変更異動届書、給与支払事業所等の開設・移転・廃止届書 |
都道府県税事務所 | 事業開始等申告書、自動車税の申告 |
社会保険事務所 | 適用事業所所在地・名称変更(訂正)届 |
労働基準監督署 | 労働保険名称・所在地等変更届、労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書、労働保険関係成立届 ほか、県外への移転などケースによって提出書類が異なります。 |
公共職業安定所 | 雇用保険事業主事業所各種変更届 |
7-6. 銀行・郵便局への届出
移転に伴い、法人口座を開設している銀行へ住所変更手続きが必要になります。
銀行によって違いがありますが、通帳・届出印・登記簿謄本の原本、本人確認書類が必要です。
郵便局には転居届を出しておきましょう。
1年間、転居前の住所に届いた郵便物を転居後の住所に無料で転送してもらえます。
7-7. 取引先等への案内
取引先や関係者にオフィスの移転をお知らせしましょう。
ご案内のタイミングとしては、1カ月前までに済ませるのが無難です。
移転を知らせる方法は、郵送(封書・はがき)、メール、FAX、ウェブサイトなどが考えられます。まずは取引先にお知らせし、続いて自社の顧客に告知しましょう。
会社と関係性のない不特定多数の人に広く周知させるには、ウェブサイトやSNSを利用すると良いです。
B工事・C工事とは |
不動産の広告で徒歩所要時間を表示する場合には、徒歩1分が80mとして計算されています。
【B工事】 借主の要望により借主の費用負担で貸主の指定する施工業者が行う工事
【C工事】 借主の費用負担で借主の指定する施行業者が行う工事 |
移転に必要な手続きのポイント |
・引っ越し作業日の決定 ・内装工事はB工事、C工事の区分を理解しておく ・什器備品、OA機器の購入 ・電話、インターネットの申し込みは早めにしておく ・省庁、銀行、郵便局への届け出、取引先への案内をする |